眼科医の目(白内障手術 緑内障診療の長崎市中村眼科)

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2008年 11月 02日

医療用語はどこまで噛み砕けるのか?

 病院で使われる専門用語はたくさんあり 医療従事者ではない方には確かに分かりにくいものも多いと思います。国立国語研究所は 2007年より医師や言語研究者らで作る 「病院の言葉」委員会を設置して 医療用語の言い換えや説明の仕方を検討してきたとのことです。同研究所によれば納得のいく治療を受けたいのに難解な専門用語が壁になっているとしています。また患者の理解を促すのは医療機関の責任としているようです。私たち医師が一般の方に説明するときに使う言葉は 私たちとしては 専門用語と思っていない言葉を選んでいるつもりですが 患者サイドからは 専門用語と取られる言葉が少なからず入っているかと思います。
 医療用語を分かりやすくするための 言い換え例として 「予後」を「今後の病状の見通し」
「重篤」を「病状が非常に重いこと」 「浸潤」を「癌が回りに広がっていくこと」などの私たち医師が見て 適当と思うものから 中には「糖尿病」はあまいもののとり過ぎが原因という誤解がおおいとして「高血糖が慢性的に続く病気」と説明するよう求めるなど ?と思ってしまうものや 「ステロイド」を「炎症を抑えたり免疫を弱めたりする薬で、元は人間の体内で作られるホルモン」として 元来体内にあり過度に心配する必要はないとの説明が望ましいとするなど 一般の誤解や薬に関する啓蒙不足によるもので 広報活動により誤解を解いていったほうが有効ではないかと思われるものまであるようです。まだまだ沢山ありそうで 来年3月をめどに最終報告をまとめ それを冊子にして市販するそうですから 購入して参考にしたいと思います。 

by n-ganka | 2008-11-02 10:45 | 医療 眼科


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